― 転職するかどうかより先に整理すべき3つの軸 ―

20代後半から30代にかけて、キャリアに迷い始める人は非常に多いです。私自身キャリアコンサルタントとして現在も求職者の方や知人等と接する中で実際、そういった声を8割程の方から聞きます。


この状態で情報を集め始めると、かえって判断が難しくなります。なぜなら、多くの人が「転職するかどうか」という結論から考えてしまうからです。本記事では、転職を前提にする前に、必ず整理しておくべきご自身の中での思考の軸を、具体的に解説します。この記事を読んで頂き、ご自身のの現在地の確認や今後のキャリア形成の一つのヒントになれば非常に嬉しく思います。

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結論|迷いの正体は「選択肢の不足」ではなく「判断軸の欠如」

キャリアに迷っている人ほど、こう考えがちです。

  • 転職先の選択肢が少ない(業界、職種、業種)
  • 今より良い会社が見つからない(年収軸、働き方、業務内容)
  • 決定打がない(何があれば転職したいと思うのか等の軸)

しかし、現場で多くの相談を見てきて感じるのは、迷いの原因は選択肢の量ではなく、判断基準が言語化されていないことです。その判断基準がないまま選ぼうとすると、条件面ばかりを見たり、他人の成功談に影響される等決めた後に不安が残るという状態に陥り、振り返ってキャリアを見直した時に後悔してしまうケースを多々見てきました。

まず考えるべき①|今の仕事は「市場価値」を積み上げているか

最初に考えるべきなのは、今の仕事が、将来の自分の選択肢を増やしているかどうかです。

ここでの市場価値とは、「今の会社で評価されているか」ではありません。参考までに、以下の問いに答えてみてください。

  • 今やっている仕事を、他社でも説明できますか
  • 「〇年経験があります」ではなく「〇〇ができます」と言えますか
  • 自分が抜けたら困るポイントを、具体的に挙げられますか

これにYESが増えるほど、今の仕事はキャリア資産として機能していると言えると思います。


❗よくある勘違い

  • 忙しい=成長している
  • 年数を重ねている=市場価値が上がっている

これは必ずしも一致しません。
「何を任されているか」「どこまで考えて動いているか」が重要です。

次に考えるべき②|それは「不満」か「違和感」か

キャリア相談で最も多いのが、不満と違和感を混同しているケースです。下記内容は実際に最も多い不満や違和感のご相談内容の一例になります。

不満の例

  • 残業が多い
  • 上司と合わない
  • 評価されにくい

これらは環境要因であり、異動や状況の変化で解消される可能性があります。

違和感の例

  • この仕事を5年続けている自分が想像できない
  • 周囲の先輩を見て、なりたいと思えない
  • 価値観がズレてきている感覚がある

違和感は、キャリアの方向性がズレ始めているサインです。この違和感を放置すると、転職しても同じ迷いを繰り返す可能性が高くなります。


最後に考えるべき③|転職は「感情」か「戦略」か

転職そのものが悪いわけではありません。問題は、なぜ転職したいのかが整理されているかどうかです。戦略的な転職には、必ず以下が含まれます。

  • 今の環境では得られないスキルが明確
  • 次の選択肢を増やす意図がある
  • 転職後の2〜3年を具体的にイメージできている

一方「今がつらいから」「逃げたいから」という理由だけの場合、転職後に別の不満が出てきてしまう可能性が高い為あまり転職をお勧めしないケースが多いです。まずは自身の現在地の確認と思考性の軸の整理を行い、自分と向き合いその上で転職すべきか否かを検討してみることが大事です。


実務視点|転職すべき人・踏みとどまるべき人の違い

転職を積極的に検討しても良い人

  • 今の仕事がキャリア資産になっていない
  • 違和感が年単位で続いている
  • 成長機会が明確に頭打ち

一度立ち止まっていい人

  • 市場価値が積み上がっている途中
  • 不満はあるが、学べる環境がある
  • 自分の基準がまだ言語化できていない

キャリアの迷いは「止まっている証拠」ではありません

20代後半〜30代でキャリアに迷うのは、決して後退しているサインではありません。
むしろそれは、これまで与えられた役割をこなすフェーズを終え、「自分で選び、自分で責任を持つ段階に入った証拠」です。重要なのは、転職するかどうかを急いで決めることではなく、今の仕事が将来の選択肢を広げているのか、不満ではなく違和感を感じていないか、そして次の一手が感情ではなく戦略になっているかを、一度立ち止まって整理することです。

この整理ができていないまま転職をしてしまうと、職場が変わっただけで、同じ迷いを繰り返す可能性があります。一方で、判断軸を持ったうえで選択すれば、転職してもしなくても、その経験は確実にキャリア資産として積み上がります。

本ブログでは私自身のキャリアコンサルタント目線で、実際の転職市場の動向や転職活動に関するポイントや情報発信も行っていきますので、引き続き目を通していただけると幸いです。